なんとなく、暮らしてる

800文字程度の雑文

映画「怒りの葡萄」感想

1930年代のアメリカでは耕作が不可能となるくらいの砂嵐が吹き、30万人ものの人々が農地を捨ててエクソダスさながら西を目指したという。

ジョードの一家も農地を捨てボロいトラックに乗り込み、職を求めてカリフォルニアを目指すのだが、すでに大量の農民がなだれ込んできていた当地では労働者過剰を起こしており、彼らは農場主にゴミのように扱われるのだった。

東京大空襲のときにみんなとは別の方向に逃げたために助かった例は多いと聞くが、ジョード一家の悲劇はみんなと同じ方向に向かってしまったことに端を発する。こういうとき皆と同じに流されたら駄目だという教訓をこの映画から得た。

大家族がボロいトラックに乗って大陸を横断する道中には色々なドラマがあり、好きなシーンもあるのだけど、肝心のラストが駄目だ。

無知蒙昧で無学文盲に等しいような母が息子に感化されて「わたしたちはこれからもずっと生き続ける。何故ってわたしたちは民衆なのだから。」と急に自分を「民衆」の一人として規定しだしたりして、思わず誰にそんな単語を吹き込まれたんだよとツッコミたくなる。脳でもすげ替えられたのかと。