なんとなく、暮らしてる

800文字程度の雑文

映画「人情紙風船」の感想

この作品は山中貞雄の遺作で、戦前の時代劇映画の傑作とも言われているような作品だから前々から見たかった。

ところで傑作と名高い映画を見て大して面白いと思えなかったとき、自分が間違っているような気がして評価をプラスの方向に修正してしまいがちなのだけど、そういうことはやめてはっきり言います。たいして面白くなかった。

物語の舞台となる長屋に住む人々の生き生きとした描写はなかなか良かったけど、誰もが顔見知りで苦しみや楽しみを分かちあいながら暮らしている光景を見ていたら自分は絶対にこういうところには住みたくないなぁという苦々しさを覚えた。

人情紙風船の話は長屋で隣り合って暮らす困窮した浪人の又十郎と髪結いの新三という人物を中心に展開していく。

又十郎は食い扶持を求めて毛利という役人を頼んでいるが日々迷惑がられている、 新三は闇で賭博を開いていたのがヤクザの親分に知れて逃げ回っているという設定。

身分も境遇も全然違うこの二人がある事件をきっかけに共犯関係となる、というところがこの作品の肝なのだけど最後まで自分には面白さがよくわからなかった。