なんとなく、暮らしてる

800文字程度の雑文

小説「夜明け前」の感想

馬篭本陣の当主青山吉右衛門の息子半蔵の生涯を描いたこの小説は全四巻からなる長い小説である。
黒船来航から明治19年までの約30年間を描き、外面には黒船の来航、桜田門外の変和宮様の降嫁、戊辰戦争、そして明治維新があり、内面には国学の徒として国事に奔走したいが、本陣としての務めを果たさなければならない半蔵の葛藤がある。
世の中が目まぐるしく変転する激動の時代に生まれた子供が青年となり、結婚して親となり、祖父となって最後は土の下に還っていくというドラマと、生母との死別、友人の死、新しい時代への希望と失望、親と子の悲哀という普遍的テーマ。
第一巻から一人の生涯を追っていると当然色々な場面に際会するわけであるが、人間があらゆる苦悶から解放される瞬間である死の場面とそれに続く葬式の場面がとてもよかった。
この深みは一人の人生を30年に渡って描く長編小説というジャンルと島崎藤村にしか出せないだろう。文学としても歴史小説としても面白かった。

小説すみだ川の感想

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永井荷風は前書きのところで、この小説は自分の少年時代と比べてすっかり変わってしまった現在の隅田川を見て心に浮かんだものを書いた。というようなことを書いている。
だから小説すみだ川は大正時代の隅田川近辺の正確な写実ではないのだけど、永井荷風が描写はときに写実よりも写実らしく読者の目に映じるのだから不思議だ。
掘割の底の泥、苔の生えた板葺き、根元まで虫に喰われた竹、そんなものまでが詩的で美しく思えてくる。
今の隅田川永井荷風が見たらショックを受けるようなつまらない様相を呈しているのだろうけど、そういうつまらなさを承知の上で隅田川近辺を歩いてみたいと思った。一度も見たことがないので。「やっぱつまらねえなあ」と思いながら川のほとりを歩いたりしてみたい。
東京に住んでいたら昔の小説やら随筆に出てくる地名を訪ねて歩く道楽が持ていいなと思う。

鉄道員

機関士のアンドレアは妻との間にもうけた三人の子供がいて、長男はプータローで、長女は結婚生活がうまく行っていない。

次男のサンドロ少年はこの崩壊しかかった家族の絆を繋ぎ止めようと健気な努力を重ねるのだが、いつも空回りばかりしているという具合である。

この映画には優れた文学作品のような味わいがあり、しみじみといいなあと思えた。

 

 

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やさしい人物画が無料でダウンロードできる。

http://loomis.sblo.jp/ A.ルーミス絵画技法書 pdfファイル置き場

 

ただし原書(英語)

数年前「もう絵なんて描かねーや」と思って部屋にある資料全部捨てたのを今更になって後悔している。

その中にルーミスの「やさしい人物画」もあり、まあ今になってみると悪い意味での古典みたくなってる本なんだけど何度も読み返した本なので初心に帰る目的として手元に置いておきたい一冊なんだよな。

だからといって一回捨てた本をまた金を出して買うのはバカらしいと生来の吝嗇から購入を渋っていたところ件のサイトで無料公開されているのを偶然発見。

英語はわからないが何度も読み返して大体の内容は理解しているので言語の壁はあまり問題にならなかった。必要なページだけ印刷して所持しておこうと思う。

それは主にプロポーションのページ。

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未だにというか描き慣れた今だからこそ時たまプロポーションが分からなくなって錯乱するからなにか指標がほしいと思ってたんだよな~ほんとちょうどよかった。

 

 

承認欲求に餓えている絵描きはインスタをやれ

Twitterに絵をアップしても見向きもされない俺だが、Instagramでは違う。
平均20いいねはつくし、フォロワーも50人くらいいる。
地球では冴えないのび太がコーヤコーヤ星ではスーパーマン扱いされる「ドラえもんのび太の宇宙開拓史」のようなことが現実にもあるのだ。
そもそもInstagramで絵垢ってどうなのと思っていたが、実際結構いるのでぜんぜん堂々としていい。
中でも海外のユーザーはいいねを押す閾値が低く、すぐコメントを送ってくるので絵を投稿すればTwitterの三倍近いレスポンスがある。
一分で描いたような落書きでもたくさんいいねがつく。

ただInstagramTwitterのような拡散力がないのでハッシュタグをいくつも使って宣伝する必要があり、人によってはハッシュタグを10も20も使うことに抵抗を覚えるかもしれない。
俺もはじめはそうだったのだけど、今では承認欲求を満たすために英語や中国語のハッシュタグをバンバン使うような承認欲求の奴隷に成り下がっていて、承認欲求の際限のなさを痛感している。
いったい俺は絵が描きたいから描いているのか、いいねがほしくて絵を描いているのか。
絵が主人でいいねは客であるはずなのに気づいたときには主と客が転倒して、俺はいいねに奉仕する奴隷になっていた。
承認欲求とはなんと深遠で罪深くかつ虚しいのか…。
Instagramとはそんな境地にさせてくれるおすすめのSNSだ。絵描きはすべからくInstagramをやるべきだ。

アフィリエイトなんて全然儲からないぜ。

Amazonアソシエイトに登録して7年。

その間自身が運営するブログにちまちまとアフィリエイトを貼ってきたがご覧のように294円しか稼げてない。

 

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アフィリエイトに特化したブログをやっているわけじゃないというのもあるけど、今更特化したブログをやったところでこれに毛が生えた程度の額しか稼げないのが現実なんじゃなかろうか。

なんのスキルも社会経験もないニートなら尚の事だ。

実際アフィリエイトで稼いでます!みたいな人は自分の経験を生かしたブログを副業感覚でやっているのがほとんど。

残りの人は本当に稼げているんだかよくわからない。

おそらく本当に稼いでいるのは1割程度の人間だろう。1割の勝ち組が「アフィリエイトは稼げます!」みたいなことを声高に主張しているだけで、9割の人間は敗者となって去っていく。社会の縮図のような厳しい世界だ。

7年くらいアフィリエイト界、ひいてはネット界を眺めてきたがアフィリエイトをやるくらいならプログラミングなりDIYなりCGなり絵なり、一人でこつこつと身に付けられるようなスキルを磨いたほうが絶対にいいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

初恋のきた道

この映画、主演のチャン・ツィイーも綺麗なのだけどそれ以上に風景が綺麗で目を奪われる。役者たちが風景に溶け合って、みんなが風景画の中で演技をしているかのような映像の連続だった。

秋が深まって黄金色に紅葉した山村の風景と、人の命を簡単に奪ってしまうような敵対的で寒い冬の景色が絵画的で美しい。

およそ文化的生活というものが存在せず、数千年来の封建道徳を守って暮らしているような閉鎖的寒村の淡々とした描写もよかった。日常の生活を送るのにいっぱいいっぱいだろうに恋愛ばっかりやってる主人公はちょっとヘンだなとは思うけど。

風景が綺麗な映画というと「八甲田山」と「鉄道員」で、望遠レンズで撮影された極寒の雪景色を見るたびにうっとりしてしまうけど、秋の景色を撮った映画ではいまのところこの映画に勝るものがない。

(映画を見るたびに好きなカットを模写しようかなと思ってるけど多分続かないだろうなあ。)

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